福西 友加里
“花の力”で温かく寄り添う
移住や資格の勉強、スポーツや音楽など――。
人は何かをきっかけにして、新たなチャレンジへ踏み出すことがあります。
これまで長い間、主婦として家を守りつつ自宅でエステサロンを営んできた私。節目の年齢を迎えるにあたって人生を振り返ったとき、思い至ったのは「子どもの頃から花の仕事がしてみたいな」だったこと。仕事として花に関わることはできないだろうか。そう考える中で見つけたのが、ながたに生花の生花部の仕事でした。
実は以前、ながたに生花で祖父母・義理の母の葬儀を行いました。
そのときに感じたのは「とても温かな会社だな」ということ。打ち合わせでの言葉遣いやスタッフひとり一人が持つ雰囲気から、丁寧に悲しみに寄り添ってもらったと感じたのです。
採用面接の際も、実際に働き始めてからも、現在も。ながたに生花についてのその印象は、まったく変わっていません。
生花部では、葬儀や満中陰法要、慶事用などの花の作成や配達などを行っています。さまざまな種類の花を作成するにあたってスタッフは、種類ごとのテストを受けて合格することが必要です。
茎の伸び方、花弁の開き方。一本一本の花の個性を見極め、全体の調和を取り、かつ手早く作成する。先輩スタッフの仕事を間近で見ていると、お花づくりには何よりも“感性”が大切なのだと感じます。数学や言葉で表すことができない部分ですから、なかなか感覚を掴めない自分に焦りを感じることもあります。けれども、その“感性”をもっと身につけて、自分の作成した花でお客様に喜んでいただきたい。その思いで、毎日修行に励んでいます。
以前、ある葬儀で大きな祭壇の注文があったときのことです。まだ祭壇のテストに合格していなかった私は、直接作成に関わることはできませんでした。しかし先輩が声をかけてくださり、最後の仕あげとして一部分にかすみ草を挿すお手伝いをさせていただきました。
後日、社長や統括マネージャー宛ての報告書を見ると、その祭壇の作成者の欄には私の名前も。あんなに少しのお手伝いでも仲間として認めてくださる気持ちに胸の奥から温かな、先輩は早く成長しなければと焦る私の気持ちを察して、励みになればと私の名前を加えてくれていたのでした。
それに気がついたとき、胸の奥から温かな感情がこみ上げてきました。
祖父母や義母の葬儀の際にも感じた、ながたに生花全体に漂う温かさ。それは、スタッフ一人ひとりの、このような思いやりや優しさに基づいているのだな。そう感じたできごとです。
花には見る人の心に余白を生み、ホッと和ませる力がある。私はそう信じています。
もっと美しく花を作成できるようになりたい。温かなながたに生花で、ご家族を失った悲しみでいっぱいのお客様の心に、“花の力”で寄り添いたい。
そう考え、私は今日も花を挿しています。

