小林 美佳
ご遺族様と故人様を繋ぐ祭壇を
お花でお別れの空間づくりをお手伝いしたい。それが私の大切にしている想いです。
子どもの頃から花に関わる仕事をするのが夢でした。
きっかけは父の趣味であった園芸にあります。一緒に種を植えて、水をやって、芽が出てくる。育った植物はやがて、綺麗な花をつけてくれます。私はその様子を見るのが大好きで、いつも「あの種からこんなにきれいな花が咲く」という驚きと喜びを感じていました。
今思えばそれが、花に関わる仕事を目指す原体験だったのかもしれません。
夢に向かうため、高校は父の母校である農業高校へ進学しました。しかし満足のいく就職先に出会えず、しばらくは看護助手の仕事をしていました。
そして3年が経った頃、夢を諦められないと転職を決意し、社名に“生花”とある、このながたに生花へ入社したのです。
先輩たちの技術はとても高く、私は毎日必死で先輩に聞いたり、退勤後に動画を見たりと、お花を挿すことを学んでいきました。
花は最初、咲いていた状態で私たちの元に届きます。そこから一本いっぽん花の状態を確認して、枝葉を整理し、故人様にあった花を選び、美しく見えるように花を挿していく。
そうすることで祭壇が出来上がるのです。
祭壇を見たご遺族様の様子はさまざまです。「すごい!」と驚かれる方、喜んでくださる方、中には涙をこぼされる方もいらっしゃいます。
そんなご遺族様たちの様子を見て、私は感じることがありました。
祭壇はきっと、ご遺族様から故人様への手向けの品なのです。
祭壇があることで故人様とご遺族様はより強く繋がり、悔いのないお別れができるようになる。
そして私の役目は、故人様とご遺族様がほかの何にも邪魔されないほど、強く繋がり別れに集中できるような祭壇を作ることにあるのだと感じています。
先日、満中陰の供花をご遺族様にお届けしました。
供花を挿す際に参考にするのは故人様のお名前や遺影、そして葬儀の際の祭壇の様子です。
そのご遺族様は、ご逝去されてからもうすぐ四十九日を迎える頃。しかし段階を踏むことによってご家族の悲しみは少しずつ癒えていっているように思いました。
そうしたご遺族様に、できるだけ色鮮やかな色のお花を届けたい。故人様が亡くなられた後の思い出話や周りへの感謝が紡がれた、カードを見ながら、アルストロメリア、カーネーション、スターチスといった華やかで、かわいいピンク色のお花を挿し、ご遺族様の元へお運びしたのです。
するとご遺族様は「覚えてくれていたんですねー」と驚きながらも喜んでくださって……。
お花を通して、ご遺族様と故人様のお別れの空間を作ることができた。そう感じる、印象に残る出来事でした。
これからの目標は、ながたに生花のすべてのホールで、一人で祭壇を作るようになることです。
どんなときでも、故人様とご遺族様が繋がり、悔いのないお別れができるような祭壇を挿す。
そうすることがきっと、ながたに生花が奈良県で一番愛される企業となることに繋がっていくはずですから。

