辻󠄀井 厚子
お別れを彩る、想いを込めたお花
葬儀は故人様とご遺族様のお別れの儀式です。だからこそ私たちは、故人様、ご遺族様に対し、より良い葬儀を形にしていかなければなりません。
ながたに生花に入社する前は、化粧品業界で働いていました。会社の事情があり退職後、希望したのは事務の仕事。これまでの接客業とはまた違ったおもしろみがあるのでは?と考えたのです。
しかし事務の仕事にはうまく馴染めず……。次の仕事を考えていた際、ながたに生花のことを思い出しました。実は若いころ会長と交流があり、そのお人柄からどのような会社なのか?と、興味を持ちました。
「ながたにさんに連絡してみよう。」
1本の電話をきっかけに、私は今、ながたに生花で働いています。
入社して葬儀について学んでいくと、これまで考えていなかった葬儀の意味について考えるようになりました。
葬儀の意味はご家族様の数だけ存在します。しかし確実なのは、葬儀は故人様とご遺族様のお別れであり、ご遺族様にとって故人様のいた生活との区切りともなる儀式だということです。そして葬儀のあと、ご遺族様たちは新たな日々を歩まれていきます。
そのことに気がついてから、故人様のためにもご遺族様たちのためにも「いいお葬式だったね」と思っていただけるように、力を尽くすべきだと考えるようになりました。
今、私は生花部で祭壇のお花を挿したり、お供えのお花を製作したりしています。最初は一本一本のお花が、人の手を介すことで葬儀を彩るほどの祭壇となる。その点に感動し「私も最後のお別れを彩るようなお花を挿したい」と、生花部へ入ることを希望したのです。
先日、印象に残る葬儀がありました。
ご遺族様が「私たちも祭壇にお花を挿したい」とご希望されたのです。
私はその場に同席し、サポートをさせていただきました。ご遺族様たちが挿されたのは、故人様との思い出が詰まっているという、ひまわりでした。みなさんとても楽しそうに、故人様とのエピソードを語りながらお花を挿していらして……。ときには私にも思い出話を聞かせてくださいました。
私たちは職業柄、美しい祭壇を目指します。しかしこのご遺族様が作られた祭壇の暖かさは、何にも代え難いものでした。大切なのはきっと美しさだけではない。お花に込める想いなのだ。大きな気づきをいただいた葬儀でした。
生花部はお客様と接することの少ない仕事です。しかし最期のお別れとなる葬儀を彩る大切な役割を担っています。これからもっとたくさんの葬儀をより良いものにしていきたい。そのために、早く一人前となれるよう、さまざまな知識を身につけていきたいです。
故人様と生活したこれまで、そしてご遺族様のこれからを彩れるようなお花を挿すために、頑張っていきます。

