西村 三咲
故人様に寄り添ったお見送りを
ご葬儀とは故人様にとって、最期の大舞台といえます。
だからこそ私は、綺麗な祭壇をつくって差しあげたいのです。
葬儀社を志したのは、父の死がきっかけでした。地元の福井で父の葬儀をあげた際、その葬儀社の方たちがとても丁寧に接してくださったのです。何度も打ち合わせに来ていただき、祭壇は父の好きな色で満たしてくれて……。素敵な仕事なのだと感動しました。
そうして家族の事情で奈良へ引っ越したのち、ながたに生花の求人を見つけ応募しました。
それまで花に触れたことも、興味を抱いたこともなかった私にとって、ながたに生花での仕事は何もかもが新鮮でした。
祭壇に飾るお花を挿していくには、とてもたくさんの事柄に注意する必要があります。お花の向き、配色のバランス、そして立体感を出すこと。とても繊細かつ難しい作業が求められるのです。
会社は違えど、父の好みに合わせて作ってくださったあの祭壇は、これほどまでに故人様とご家族様のことを想って作られていたんだ。
ながたに生花でお花に触れることで、お花を通じてお客様に寄り添うことの難しさを痛感しました。
一方でお花を挿すことを通じ、難しさだけではなく、お客様に寄り添うことでしか得られない嬉しさにも出会えました。
式場にいらしたご家族さんが、私の挿したお花で彩られた祭壇を見て「綺麗、すごい!」と言ってくださったのです。あの瞬間の嬉しさは言葉に表現しきれないものがあります。
ご葬儀というものは故人様にとって、一生に一度、そして最期に華やかに飾ることのできる場所です。そんな場所に携わるものとして、故人様、ご家族様に寄り添い、その方にあった祭壇を作っていきたい。悔いのないお別れのお手伝いをしたい。
それが私の大切にしている想いなのです。
今は生花部リーダーとして、お花を挿す以外にも仕入れの調整をしたり後輩たちの育成をしたりしています。育成において後輩たちには、自分の祭壇がお客様の目に触れるという当然でありながらも大切なことを伝えるようにしています。
故人様らしい祭壇を見て「ありがとう」と声をかけてくださるお客様がいること。かつての私が、父の好みに合わせて飾られた祭壇を見て心を動かされたこと。
スキルももちろんですが、そういったお客様への心、愛を伝えるようにしています。
リーダーになったばかりのころは不安でいっぱいでした。しかし今では生花部のみんなとお花を挿していくことがとても楽しいのです。
これからは自身のスキルをもっと磨き、大きな祭壇のお花を挿せるようになっていきたいと思っています。そうすることでメンバーのお手本となれますし、サービスの質も向上しお客様にご満足していただくことにも繋がるはずです。
そしていつか「ながたに生花の祭壇は綺麗ね!」と大きな祭壇の葬儀が増えていったら嬉しいなと思います。

