上中 瑞希
悲しみを救える人で在れたら
「あなたには、葬儀の仕事が合うかもしれない」
この仕事を知ったきっかけは、看護師をしている母のひとことでした。
そして、進路に迷っていたときに「ながたに生花」と出会いました。就職支援の方から「奈良の五條に、社員一人ひとりを大切にする会社がある」と教えていただいたんです。
その言葉通り、面接で訪れた際に温かな雰囲気を感じました。初対面なのにスタッフの方が、わざわざ手を止めて声をかけてくださったんです。初対面なのにもかかわらず丁寧に対応してくださったその姿に、「ここなら頑張れそうだ」と思ったのを覚えています。
入社して感じたのは、葬儀は予想以上に人と関わる仕事だということです。現場では、知識よりもその場での判断力や対応力が求められます。覚えることは多く、慌ただしい日もありますが、目の前のご家族にきちんと向き合うことを大切にしています。
印象に残っているご葬儀があります。
通夜と告別式の両方を担当したお式で、ご家族はしっかりと振る舞っておられました。しかし、出棺の瞬間にこらえていた涙があふれ出したのです。
その光景を目の当たりにして、言葉にならない想いが胸に広がりました。胸の奥が締めつけられ、ただ呆然と見つめることしかできなかったのを覚えています。
あのとき感じた無力さが、私にとっての出発点だったのかもしれません。悲しみの最中にある心を、少しでも軽くできたら。私が“救い”になれたら……。そう考えたことが、今の私の原点になっています。
あるとき、母が勤める病院の患者様が亡くなり、ご葬儀を担当させていただいたんです。
ご親族とのお話の中で母が担当していた方だとわかり、ご家族が「病院ではお世話になりました」と何度も頭を下げてくださったんです。
その姿を見て「こんなに優しい方がいるなんて」と、思わず胸が熱くなりました。
人の優しさや思いやりに触れるとき、寄り添うことの意味をあらためて感じます。
葬儀というのは、ご家族にとって「一区切りをつける大切な時間」です。
人との関わりがあるからこそ、誰かが少しでも救われる瞬間があるのなら。その時間を支えられる存在でありたいと思います。これからも、人との関わりを大切に、誠実に向き合っていきたいです。

