中尾 秀次
家族のような安心感で包んで
昔から乗り物が好きで、これまでバスやタクシーなどさまざまな運転手を務めてきました。
一度は別の職種も経験し、それから再び運転手として勤めさせてもらう日々。しかし、わずか数ヶ月で運転手に戻ってしまうほど、日常に新鮮さをもたらしてくれるこの仕事が大切だと感じています。四季折々の景色に包まれたり、毎日新たなお客様とお話ししたりする楽しさはここでしか味わえないのです。
20年以上勤めたタクシー会社も2022年に定年を迎え、せっかくだから新たな挑戦をしようと、思い切って転職を決意。
真っ先に思い浮かんだのが、「ながたに生花」でした。
実はながたに生花との出会いは、18年以上前の母の葬式。突然の別れで戸惑う最中、一つひとつ丁寧にお手伝いしてくださったことが強く記憶に残りました。そのおもてなしに、葬儀社とお客さんという間柄ではなく、家族の一員のような温かさを感じたんです。
その後も、親戚の葬儀でお世話になる度に惹かれていきました。父の葬儀で喪主をした際、ショックで気が動転していても、心のこもったサポートのおかげで安心して送ることができて。その頃から、「ながたに生花に恩返しがしたい」という想いが芽生え始めたんです。
念願叶ってながたに生花で働き始めて感じたのは、スタッフの誰もがこの仕事に誇りを持っているということ。決してお客様に不安を与えないように、わからなければすぐに聞く勉強熱心な姿勢は、本当に尊敬します。
それに、たとえ年齢が離れていても心の距離は同年代のように、気を遣わずに接してくれるんです。ここで働くことができてよかったと心から思います。
そんな心地の良い場所で1年以上勉強してきて、大切にしたいと思うことが生まれました。
それは、霊柩車や搬送車に安心してご乗車していただけるように一言でも声をかけること。
大切な方を亡くしたときは、悲しくて、不安で仕方がない。だからこそ、私の車に乗ったからには緊張した心をほぐして、落ち着いた気持ちで明日に向かってもらえたらと思うのです。
あるとき、車酔いをするので霊柩車に乗ろうか悩まれているご家族様がいらっしゃいました。でもこれは、故人であるお母様との最後のドライブ。酔わないようにゆっくり運転しますとご提案して、ご乗車いただいたんです。
「一緒に乗車できて、お母様もすごく喜ばれていると思います」
車内でそんな一言をかけた瞬間、それまで泣かれていたご家族の雰囲気が和やかになったのを感じました。
そして斎場までお連れした後、「ゆっくり運転してくれてありがとう。最後に最高のドライブができてよかったよ」という言葉をいただいたときは、思わず涙が溢れてしまいましたね。
私にとって家族は、心のもやが晴れたり、癒されたり、新たな発見をくれたりする大好きな存在。会えばいつも、「明日からも頑張ろう」と活力を与えてくれます。
そんな家族のような安心感を、お客様に手渡せるようになりたい。まずは、一人立ちできるように、勉強熱心に頑張っていきたいです。
「ながたにさんでお葬式できてよかった」
私自身が親族の葬儀で何度もそう感じたような体験を、ドライバーとして届けていきます。

